
株式投資における信用取引(レバレッジ)のポイントと活用方法をお伝えします。
この記事は以下の人達向けに書いています。
使い方さえ間違わなければ、信用取引(レバレッジ)は投資家の強い味方になってくれます。
それでは見ていきましょう。
目次
1. 株式投資における信用取引(レバレッジ)のポイントと活用方法
信用取引(レバレッジ)は危険というイメージが定着していますが、使い方さえ間違わなければ、投資家にとって大きな味方になることは間違いありません。
以下では、信用取引(レバレッジ)の基礎から利用する上でのポイントや活用方法を解説します。
2. 株の信用取引について
株の取引には「現物取引」と「信用取引」があります。
現物取引は、手持ちの資金の範囲内で取引をして株を売買することです。
一方、信用取引は手持ちの資金や、すでに保有している株を担保にして、証券会社からお金や株を借りて取引することです。
以下は信用取引のポイントです。
下で説明します。
1.1. 信用取引ではレバレッジを3.3倍までかけられる
たとえば通常の株取引(現物取引)では、100万円しか持っていなければ100万円分の取引しかできません。
しかし信用取引ではレバレッジをかけれるので、最大3.3倍の330万円ぶんまで取引することが可能です。
つまり少ない資金で大きな取引が可能になります。
こういった背景から、信用取引はレバレッジやてこの原理と呼ばれています。
もちろんレバレッジをかける場合は、その分リスクも増すことは認識しましょう。
1.2. 株の信用買い
株の信用買い(信用取引の買い)とは、単純に手持ちの資金が足りない場合や、手持ちの資金以上の資金で株を買いたい場合に、自分の資金や、すでに保有している株を担保にして証券会社からお金やを借りて株を買う方法です。
一般的に信用買いでは、取引手数料にくわえて、株の保有期間に応じた金利がかかります。
また原則6ヶ月以内に株を決済する必要があります。
参考までに、各証券会社の取引手数料と金利の比較です。
<各証券会社の取引手数料と金利>
※制度信用取引の場合
証券会社 | 取引手数料 | 金利(年利) |
大和証券 | 314円~524円 | 2.80% |
SBI証券 | 90円~530円 | 2.80% |
ライブスター証券 | 無料 | 2.30%~1.80% |
1.3. 株の信用売り(空売り)
信用売りとは自分の資金や、すでに保有している株を担保にして証券会社から株を借りて株を売る方法です
株の信用売り(空売り)は取引方法に少しクセがありますが、以下のようなイメージです。
<信用売り(空売り)のイメージ>
1.株を借りて、先に売りから入ります
2.借りた株は期日までに返却(買戻し)ます
3.買い戻した株価が、売った時の株価よりも安ければ、その差額が利益になります
<信用売り(空売り)の取引例>
1.株価100円の株を100株、証券会社から借りて空売りします
2.100円×100株なので、いったん1万円が手元に入ります
3.やがて株価が80円まで下がります
4.株価80円で100株を買いもどすと、8000円かかります
5.100株を証券会社に返すことで、信用取引(空売り)は終わります
→この場合、株を売ったときに1万円手にいれ、買い戻すときに8000円使っているので、2000円が利益となります。
つまり、下げ相場でも利益が出せるのが信用売り(空売り)の特徴です。
一般的に信用売り(空売り)では、取引手数料にくわえて、株の保有期間に応じた貸株料がかかります。
また原則6ヶ月以内に株を決済する必要があります。
参考までに、各証券会社の取引手数料と貸株料の比較です。
<各証券会社の取引手数料と貸株料>
※制度信用取引の場合
証券会社 | 取引手数料 | 貸株料(年利) |
大和証券 | 314円~524円 | 1.50% |
SBI証券 | 90円~530円 | 1.15% |
ライブスター証券 | 無料 | 1.10% |
3. 信用取引のポイント
信用取引は危険というイメージが定着しています。
テレビドラマや映画でも「株の信用取引で多額の借金が・・」といったフレーズは、一度は耳にしたことがあると思います。
間違いなく言えることは、信用取引で多額の借金を背負うような人は、信用取引をギャンブルのように利用した人です。
信用取引の使い方を間違えない限り、このようなことは起こりません。
以下では信用取引の活用方法についてポイントを説明します。
3.1. 信用取引のポイント①レバレッジ
上で説明したとおり、信用取引(信用買い、信用売り)では、レバレッジをかけれるので、手持ち資金の最大3.3倍の取引が可能です。
手持ちの資金より大きい金額で取引できる点は、信用取引の大きなメリットです。
ただし、手持ちの資金以上の損失を出した場合は追証(担保の追加)が発生し、最悪ポジションを強制的に決済(退場)する羽目になります。
以下はレバレッジをかけた取引をする際のポイントです。
1.レバレッジをかける前に、資金管理(マネーマネジメント)を学ぶ
→必須です。自分のトレードスタイルに合わせて、手持ちの資金がなくならないよう
最適にレバレッジをかける必要があります。
2.予期しない下落(上昇)に対処できるよう、必ずロスカットライン(損切り)を設定する
→例えば、約定価格から5%下落したら、成行きで売り注文を出す、といった具合。
3.無理にレバレッジをかけない
→資金量が十分であれば、無理リスクを取る必要はないです。
※資金管理(マネーマネジメント)が学べる書籍については最後に紹介しています。
3.2. 信用取引のポイント②下落局面での信用売り(空売り)
下げ相場でも利益を出せるのが信用売り(空売り)の特徴です。
下げ相場(下降トレンド)とは、一般的に、株価が慢性的に下落を続けるような相場を指します。
リーマンショック後のような相場(日経平均が18000円→9000円)をイメージしてください。
このような相場で、買い(現物買い)だけで利益を出し続けることは極めて難しいです。
つまり、下げ相場で利益を得るためには、信用売り(空売り)は必須です。
3.1. 信用取引のポイント③ヘッジとしての信用売り(空売り)
ヘッジ(Hedge)とは「回避」を意味する言葉です。
例えば、利益が出ている現物株を保有していて、今後、一時的な株価下落が予想される状況である場合、現物株を売却せずに、現物株と同等(あるいは一部)の株数で空売りを行うことで現物株に発生する損失を空売りでカバーします。
そして、一時的な株価下落が終わり、株価が上昇に転じたことを確認して空売り分だけを決済し、再び現物株で利益を伸ばします。
これを「売りヘッジ」あるいは「株の両建て」といいます。
<売りヘッジの取引例>
1.利益がでているA株(現物株)を100株保有
2.A株の一時的な株価下落が予想された
3.A株を100株保有した状態で、A株を100株空売り
4.A株がどれだけ価格変動してもプラスマイナスゼロを維持
5.A株の一時的な下落が終わり、A株の空売り100株分だけを決済
6.再びA株(現物株)の利益を伸ばす
売りヘッジのメリットは利益を確保できる点にあります。
株価の一時的な下落への対処や、どうしても時間をかけて検討すべき課題ができた場合などの一時的な時間稼ぎに有効です。
4. 信用取引をおこなうには?
信用取引をする場合は、各証券会社で証券口座を開設後、さらに信用取引口座を申請すればOKです。
<各証券会社の手数料比較>
※制度信用取引の場合
証券会社 | 取引手数料 | 金利(年利) | 貸株料(年利) |
大和証券 | 314円~524円 | 2.80% | 1.50% |
SBI証券 | 90円~530円 | 2.80% | 1.15% |
ライブスター証券 | 無料 | 2.30%~1.80% | 1.10% |
証券会社については、手数料から見てもライブスター証券が頭1つ抜けています。
また、ライブスター証券は信用取引に関わらず株の取引手数料が最安です。僕も長年利用しています。
とりあえず口座開設がまだの方であれば、ライブスター証券で開設すれば間違ありません。
記事で紹介した証券会社リスト
※大和証券のような総合証券は手数料が高いのでカットしました。
>>おすすめの証券会社については、こちらの記事で記載しています。結論としては、ライブスター証券、DMM株証券がおすすめです。
【必読】現役トレーダーの僕が株式投資の初心者に本気でおすすめしたい証券会社について
5. まとめ
早く資金を増やしたいという気持ちは、自身の経験からも大変よく分かりますが、無理にレバレッジを使った取引を行うことは絶対にNGです。
まずは、焦らずじっくりとトレード経験を積むこと、そして資金管理(マネーマネジメント)を学ぶことをおすすめします。
最後に、資金管理(マネーマネジメント)を学べる書籍を2冊紹介します。
<投資苑>
資金管理(マネーマネジメント)に特化した書籍ではありませんが、投資家心理、トレード戦略、資金管理を幅広く学べる1冊です。
「投資苑」をベースに改訂された、以下の書籍も大変おすすめです。
ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理
<ラルフ・ビンスの資金管理大全>
資金管理(マネーマネジメント)に特化した書籍です。
内容は素晴らしいのですが、数式やプログラムで解説されている部分も多々あり、やや難解である点に注意が必要です。
値段もそれなりに高額なので、万人におすすめはしないです。
今回は以上です。